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T.企業はいかにして法的危機に備えるか

1.リーガルリスク管理とは
 昨今、金融危機におけるリスクの問題(金利の上昇は債権が下がる。
 株価の低下は資産価値の目減り等)が取り上げられ、保険理論にお
 ける、リスク管理手法の予防法務への応用が注目されている。
 自社リスクに対する準備金、自己資本比率の低下に対する、法的問
 題の危険度及び緊急性を法的に評価をし、それを基にヒト、モノ、カネ
 の法的リスクを企業の管理下に置く手法。

2.リーガルリスク管理の方法
 ノウハウは記録に残さないからノウハウであって、必ずしも紙に書くこ
 とがプロテクトすることとは言い切れない。法的に有効かつ合理的な
 契約書等を作ることが望ましい。(事前に紛争の可能性について予想
 をし、紛争解決のための筋道をあらかじめビルトインされている契約書
 などは効果的)

3.リーガルリスクの類型と判断
(1)国際社会におけるリーガルリスク
■大和銀行事件
 大和銀行のアメリカ現地法人が、アメリカから追放された理由。
・一人の人間に権限を与えすぎ、使い込み発覚が遅れたためだけが理
 由ではなく、問題が発覚した際に、日本的考えにより、日本の大蔵省
 に問題を相談し、現地アメリカ当局へは報告を怠ったためである。
・現地法人で有るにもかかわらず、現地の法の理解がされておらず、ア
 メリカ式の法によって裁かれる法治国家の感覚が人治国家的日本の
 感覚では理解できていなかった。
・人材が揃って居るであろう大和銀行でさえ、このような事態があり、法の
 専門家等に事件発覚後の対応を相談していれば、もしくは日頃法の関
 係者と接触があれば、もう少し違った結果が出たのでは無いだろうか。

■三菱セクハラ事件
・事件の後、従業員が自動車を連ねて、「我々はセクハラをしていませ
 ん」というデモを行ったため、事実を隠そうと会社が仕組んだと考えられ
 アメリカ的には悪印象を与え、きっとやったに違いないと思われてしま
 った。
・裁判が盛んな国での行動のセンスの問題。

上記2事例にみるポイント
・日本のメンタリティー・モチベーションの違いが大きく現れている。
・その人物の信用問題に関わらず、ダブルチェックなどの簡単な方法で
 十分防げる内容であり、規定は規定、現実は現実という日本的モチべ
 ーションの現れではないだろうか。
 (記事参照 1997年読売新聞 危機管理学)

(2)企業の外部的リーガルリスク
□貸し倒れを無くすには?
・取引前の調査
・与信管理〜セールスマンは売れるほど喜ぶが、ある程度の額以上は社
 長決裁が必要など簡単なことから決め、売掛金の多いところはコミュニ
 ケーションを良く取り、情報を日頃から集める。

□会社の買収、売り渡し
・会社を売る方は、代金の確保を確実にし、買う方は、負債がどの位ある
 か、を徹底的に見る。
□PL法(対消費者)
・消費者契約法〜元経済企画庁管轄(どういう売り方をしなければならな
 いかを考えて行く必要がある。)
□騒音、日照権等の問題
・問題が起こってから考えても良いが、何時もどうするか考えておく方が
 合理的。
・自社で何は出来て、何は出来ないかを明確にしておく。

(3)企業の内部的リーガルリスク
・株主代表訴訟は大企業よりも同族会社での訴訟が多い。
・監査役の責任については、過去2年間にもらった報酬の○○%を支払
 う義務が出てくるように今後なるかもしれない。
・特に地方などでの、従業員の車のトラブルは、鍵の管理規定なども決め
 ておいた方が、いざという時会社の保身となる。
・知的財産に付いては、入社時に有る程度の約束をし、本当に重要なポ
 ジションや、部署へ異動した際に、法的に合理的な範囲での契約をする
 ことが、望ましい。(同業種への転職禁止などは職業選択の自由が無く
 なるため、法的に認められない。)

U.法的危機に対応できる組織の確立

1.企業はいかにして法的危機に備えるか
・形だけでもまず作ってみる。
・問題の起きる前に会社に合わせて、必要最低限のラインを決める。(大
 手のように全部決めてしまうのはナンセンス)
・小企業では社長、大きい企業では総務部、法務部は与信管理の認識を
 する。
・危機管理対応の組織は、社長直轄にすべきである。
 危機管理=経営(経営のための法律)
・社内にネットワークを確立するとともに、日頃から弁護士とコミュニケー
 ションを取る。

2.リーガルリスクに際してのチェックポイント
・マイナス情報は繰り返し見返す。
・危機管理情報はすべて同一書式に記録する。
 


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